夏になると、どこからともなく聞こえてくる太鼓の音、ゆらゆら揺れる提灯、カラフルな浴衣に、金魚すくいやわたあめの屋台……。
そんな“おまつりの風景”は、子どもにとっても大人にとっても特別な夏の思い出です。
ですが、年によっては地域のおまつりが中止になったり、子どもがまだ小さくて夜のおでかけが難しかったりすることもありますよね。
そんなときにぴったりなのが、“絵本を通じておまつり気分を味わう”という楽しみ方です。
この記事では、「おまつり・縁日」をテーマにした絵本を6冊ご紹介します。
読み聞かせのポイントや、実際のおまつり体験にどうつなげるかのヒントも盛り込みました。
おまつりの絵本が子どもに与える3つのいいこと

① 季節感を育む
絵本を通して四季の行事に親しむことで、「夏といえばおまつり」「この時期にはこういうことがあるんだ」という感覚が自然と身についていきます。
② 文化への関心が育つ
お神輿や盆踊り、屋台など、地域や日本の伝統文化への入り口としても絵本は効果的。
小さなうちから知っておくことで、体験したときの楽しさが何倍にも広がります。
③ ワクワク感・ドキドキ感を家庭でも味わえる
実際におまつりに行けなくても、絵本の中では何度でもおまつりを楽しめます。
「今年は行けなかったね」ではなく、「絵本のおまつり、楽しかったね」と思い出になる読書体験を届けましょう。
【厳選6冊】おまつり・縁日がテーマのおすすめ絵本

ここからは、「おまつり」や「縁日」にまつわる魅力あふれる絵本たちをテーマ別にご紹介します。
おまつりの世界観を楽しむ絵本
『えんにち』
作・絵:五十嵐豊子(福音館書店)
日が暮れたころ、子どもたちはおうちの人と一緒に「えんにち」へ。
にぎやかな屋台が並び、ヨーヨーつり、りんごあめ、金魚すくい、わたあめ……。
ページをめくるたびに、あの“おまつりのワクワク”が目の前に広がります。
セリフや文章はなく、絵でじっくり楽しむスタイル。
リアルに描かれた夜の縁日は、まるで写真のような臨場感があり、大人も「懐かしいなぁ」と感じる作品です。
▶おすすめ年齢:3歳〜
▶読み聞かせPOINT:絵の中の屋台を親子で探したり、「これやったことある?」と会話を楽しんで。
▶自然体験とつなげるなら:「えんにちごっこ」をおうちでやってみるきっかけにも!
『おまつり』
作・絵:あずみ虫(講談社)
今日は待ちに待った「おまつりの日」。
浴衣を着て、屋台を見て、わたあめを食べて、盆踊りを踊って……。
ページいっぱいに広がるイラストは、子どもたちのワクワク感やドキドキした気持ちをそのまま映し出しています。
細部まで丁寧に描かれたおまつりの光景には、提灯や出店、遊び道具など、親子で「見て楽しめる」要素がたっぷり。
文字数は少なめで、小さな子でも飽きずに読みやすい構成です。
▶おすすめ年齢:2歳〜
▶読み聞かせPOINT:「これは何の屋台かな?」「この子、何を食べてる?」など、指差しながら会話を広げて。
▶自然体験とつなげるなら:読み終わったあとに、「今度一緒におまつり行こうね」と楽しみをふくらませるのに◎
伝統行事としてのおまつりを知る絵本
『おまつりおばけ』
作・絵:せなけいこ(フレーベル館)
せなけいこさんの人気キャラクター「おばけ」が主役。
おばけたちが開くにぎやかなおまつりが、怖さよりも可愛らしく描かれています。
▶おすすめ年齢:3歳〜
▶読み聞かせPOINT:お盆や夜の読み聞かせにぴったりの1冊。
『なんででんねん天満はん 天神祭』
作:今江祥智(童心社)
「なんででんねん?」大阪弁のテンポの良い語りで始まる、今江祥智さんらしいユーモアと情熱があふれる一冊。
舞台は大阪の天神祭。町の人々がそわそわし出し、川には船渡御(ふなとぎょ)、空には花火。
熱気あふれるおまつりのようすが、絵本の中でどんどん盛り上がっていきます。
主人公は、おばあちゃんと一緒に天神祭を見に行く男の子。
「なんででんねん!」とつっこみながらも、初めて見る景色にワクワクが止まらない!
大阪の文化とおまつりの魅力が、まるごと詰め込まれた絵本です。
▶おすすめ年齢:5歳〜
▶読み聞かせPOINT:大阪弁のテンポを活かして、リズミカルに読むのがコツ。掛け合いのように読むと盛り上がります。
▶自然体験とつなげるなら:天神祭に行く前後に読むことで、実体験と絵本がリンクして記憶に残ります。
夜のおまつりと花火を描いた絵本
『はなびドーン』
作・絵:カズコ・G・ストーン(童心社)
「ドーン!」「パラパラッ」と花火の音が飛び交う、迫力満点の花火絵本。
小さい子にも読みやすいテンポで、花火大会前に読めばワクワク感が高まります。
▶おすすめ年齢:1歳〜
▶読み聞かせPOINT:音に注目して、声に出して読むのがコツ!
『ねこのはなびや』
作・絵:渡辺有一(フレーベル館)
ねこたちが営む、ちょっと不思議な花火屋さん「ねこのはなびや」。
そして夜空には、カラフルでユニークな花火が次々と打ち上がります。
“ねこ”דはなび”という、子どもが大好きなモチーフがぎゅっと詰まったおまつり絵本の人気作です。
リズミカルな文とユーモアたっぷりの展開は、読み聞かせでも盛り上がること間違いなし。
大人も思わず「この花火、見てみたい!」と思ってしまうような、ユニークな花火の数々が魅力です。
▶おすすめ年齢:4歳〜
▶読み聞かせPOINT:花火が打ち上がる場面は、擬音語や声のトーンを工夫して盛り上げて!
▶自然体験とつなげるなら:実際の花火大会の前に読めば、ワクワク感がぐんと高まります。
読んだあとにおすすめ!「おうちでおまつりごっこ」アイデア

絵本でおまつりを楽しんだら、今度はおうちで“縁日ごっこ”をしてみませんか?
簡単にできる屋台遊び
- 金魚すくい(風船やビニール魚を水に浮かべて)
- たこ焼きやさんごっこ(フェルトボール+おたま)
- 射的(空き箱や紙コップ+輪ゴム鉄砲)
工作アイデア
- ちょうちん工作(折り紙でOK!)
- おみこしづくり(段ボール+ひも+画用紙)
食べものを用意して気分UP!
- わたあめ → 綿菓子風マシュマロ
- りんごあめ → カットりんご+飴の代わりにゼリーやジュース
- かき氷 → 手作りシロップでアレンジ
まとめ

おまつりは、子どもにとって「特別な一日」。
にぎやかな音、きらきらの光、甘い匂い、そしてワクワクした気持ち。
それらを、絵本の中で何度でも味わえるのが「おまつり絵本」の魅力です。
実際におまつりに行ける子も、行けない子も、
絵本を開けばそこにはいつでも“夏の夜の魔法”が待っています。
お気に入りの一冊を見つけて、今年の夏も親子で素敵な時間を過ごしてくださいね♪
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